この機会を使って語る
チューブにつながれた少年。
彼は病院から出たことはなかった。
夜になって自由な時間ができても出ることはなかった。
彼は戦争に反対だった。
自分の命が揺れるのに対し、世間はのらりくらりとやっていく。
彼は大人になっても病院から出られないことは分かってた。
それでも、可能性がないではないと諦めきれなかった。
彼は日中一人であることが多かった。
切ないプレゼントを受け取ることができなかったのだ。
新たに友達が欲しかった。
自分と同じ境遇でもいいと望んでしまった。
宇宙人は平和を望んでいた。
宇宙人は資源が枯渇した惑星から出てきたのだ。
地球を愛おしく扱った。
彼と宇宙人の間には大いなる距離がある。
隔たれてはいけない距離だ。